まゆの日記

大学4年生 21歳の普通の女の子です。

なんかあやしい ~スカウトされたけど~

こんにちは、まゆです。

 

わたしの通学路。いちばん近いのは住宅地(学生マンションも多い)の中を歩いてって、大きなお寺の参道に入って。そこを抜けたらすぐに大学の門があります。こっちを通るとふつうに歩いても15分かからないくらいです。そこから教室にたどりつくのにしばらくかかるのですけどね。

 

朝はもっぱらこちらを通るのですけど。このルートだとお店とかぜんぜんありません。だから帰り道は大学の前を通ってる大きな道を10分くらい歩いて。少し遠回りになるけど途中から曲がると商店街にでられます。この商店街には食品スーパーとかコンビニがあるのでそこで買い物をします。さきちゃん家もこの大きい道の先にあるから2人の時はこっちだしね。

 

こっちの道は学生街っていう感じで昔からある喫茶店とか学生食堂とか。いろんなお店があって。学生生活をおくってるんだなって感じることもできます。

 

ここを歩いてる時には今までに何度か声をかけられたことがあります。ナンパみたいなのもあったけど。カットモデルのお誘いもありました。まあ、ロングの黒髪でストレートだからカットモデルに向いてるのかもしれません。

 

いつも断っているのですけどひどいのが同じひとで2回声をかけてきたひとがいたこと。適当に声かけてるんだなってバレちゃいますよね?笑 

 

お寺の参道から住宅地に抜ける道を帰る時はあたり前ですけど一度も声をかけられたことはありませんでした。ふつうの住宅街で声をかけられるなんて道を聞かれる以外ないだろうし。もしあったら怖いですよね。でもそれが今日あったのです。

 

ちょうど参道から住宅街に入るいちばんひと気のないところで。後ろから「ちょっと待ってもらってもいいですか?」って男のひとの声だったので。心臓がドキッとしちゃって「はっ!」って息を吸い込みました。

 

振り返ったらブレザーみたいなのを着た30代後半くらいかな?おじさんがいました。気崩した感じの服装でネクタイとかしてないし。しょうがないんだけどマスクしてるから顔がよくわかならいし。やっぱり怖かったです。なにかあったら逃げようって思いながら小さな声で「わたしですか?」って聞きました。

 

するとその男のひとはいきなり「※大生ですよね?付属校じゃないよね?」って。付属高校はぜんぜん違うところにあるのに知らないのかな?と思ったし。なんでそんなこと聞くのかわからなかったのですけど「はい」とだけ答えました。

 

「そんなに怖がらないで。あやしい者じゃないから」って笑いながら近づいてきました。道を聞くのとかじゃなさそうだし。そんなこと言っても怖いもん。用事があるなら早く言ってって思いながら少し後ずさりしてしまいました。

 

「ちょっとだけマスク取ってくれるとうれしいんだけどダメだよね?」ってダメに決まってるでしょ?もう叫ぼう。どうやらナンパですらなさそうだ。ここで勇気を出さなきゃって思ったところでその男のひとはサッと名刺を差し出しました。

 

「ゴメン。怖がって当然だよね。挨拶もしないで。わたしこういう者です」って。なかなか手が出なかったのだけどそのひとが持ってる名刺には※※※プロモーションって書いてあって肩書には「育成担当マネージャー」とありました。とりあえず襲われるのじゃないとわかって少し落ち着いて名刺を受け取りました。

 

「あなた芸能活動とかに興味はありませんか?」って言って。わたしが「いいえ考えたことないです」と答えると「そうですか。うちはいくつかの芸能プロダクションと契約していて、若いタレントを育てる仕事をしています。いろいろなところにアンテナを張っていて。良い情報があるとこうして直接確かめにくるんです」って。

 

それってわたしのことを誰かに聞いたってこと?でもわたしはそんな噂になるような目立つ子でもないし。やっぱりなんかうさんくさい。だいいちマスクしてるのになんでわかるそんなの?そんな考えが頭の中をぐるぐると駆け巡りました。それでなにを言われても断ろうって心に決めてました。

 

「実はマスクを外しているお顔も拝見しています。最近多いマスク美人じゃないこともわかっています」わたしの考えを見抜いたみたいなことを言いました。思わず「どこで?」って聞いてしまったら「食事の時に外されてましたから」って。

 

「見てたんですか!?」思わずきつい言い方で聞くと「探してる時に偶然です」ってなんでもないように。その時だったらすずかちゃんたちといっしょだったのに。見つけた時に声かけずにひとりになるのを待ってたって思うとやっぱり怖い!

 

大学を辞めたりすることはない。今は有名大学にいることでタレントの価値があがる時代だからとか。勉強を続けながらまずはモデルくらいから始めることもてきるとか。わたしが「いいです」って何度も断ってるのにそのひとは無視するように勝手に説明を続けました。

 

最後に「もしちょっとでも興味がわいたらいつでも連絡してください」と言ってせめて名前だけでも教えてくれませんか?って言われたのだけど断りました。でも考えてみたらみんなとご飯食べてるところを見られたんだったらだれかが名前を呼んでたかもしれません。

 

こんなひとに付きまとわれたらイヤだしどうしたら良いんだろう?って困ってたら「わたしの方からは連絡しませんから。ちょっとでも話を聞いてみようかな?と思ったらいつでも電話してください」そう言ってそのひとは去っていきました。

 

連絡してこないんなら良いんだけど、どこかから見られてたりしたらイヤだなって今もなんかいや~な感じでいます。それにどう考えてもわたしなんかがスカウトされるはずないし絶対あやしい。

 

そんなことを思いながらさっきあいちゃんにLINEしたらすぐに通話で帰ってきて。今書いたようなことを話したのですが。「まゆ。それきっとAVのスカウトだよ」話を聞くなりあいちゃんは断言しました。ほんとうに芸能事務所のスカウトだったらこっそり後をつけて話しかけるなんてことしないと思うって。

 

話を真に受けてモデルくらいならやっても良いかな?なんて思って連絡なんかしたら。あれよあれよという間にロリータもののAVとかイメージビデオに出演させられて。気が付いたらいつの間にかAV女優にならされてるにきまってるよって。

 

あいちゃんの推測ではきっとそういうひとってあっちこっちの大学とかに出入りして可愛い女の子を探してるんじゃないか?って。それでその男も「この子だったら合法的にロリータもののAVの撮影ができる」って思って声かけてきたに違いないって。

 

「まゆが天然もののパイパンだって知ったらそいつら狂喜すると思うよ」って。そうなんだ。わたしは別に美人でもなんでもなんでもないけど。低身長で童顔でおまけにパイパンっていう。ロリータ要素だけは3拍子そろってるんだから。変なひとに目をつけられないように気をつけないと。

 

そう思ってるとあいちゃんは「だからまゆが美術モデルという名のヌードモデルしてるの。わたしはちょっと心配してるんだ」って。確かに美術モデルは写真厳禁で画像が流出する心配はないけど。チビで童顔でパイパンのヌードモデルがいるっていう情報だけはどこからどこに漏れるか?わからないものね。

 

「わかった。ありがとう。気をつけるよ」とは言ったんだけど。どうやって注意したら良いのか?でもやっぱりヌードモデルはやめたくないし。

 

やっぱりわたし危険なことしてるのかもしれない。

どうかなにも起こらずに大学生でいる間だけで良いからヌードモデルのお仕事を続けられますように。

 

変な話になっちゃいましたね。

 

読んでくださってありがとうございました。

 

それではまたね。

 

まゆでした。

 

 

※ 日記に出てくる名前は全部仮名です。