こんにちは、まゆです。
やってきましたクロッキーモデル。
初めて全裸でたくさんのひとに囲まれて。
それぞれ休憩をはさんでだけど20分×5回。
まだなんかぼーっとしています。
本番中は夢中でわからなかったけど。
ふくらはぎと腰のあたりが張っています。
やっぱりバランスとか悪かったのかな?
昨日の朝はまだ暗いうちから目が醒めちゃって。
なんか実感がないんだけど。
ほんとうにわたし今日ヌードモデルするんだって。
おふとんの中から天井を見上げていました。
起きてからもなんかぼ~っとしていて。
でもいつも通りに朝ごはんを食べて。
洗濯したり掃除をしたり普通にしてから。
身づくろいも淡々と。
髪型はポニーテールにしようと思ってたのだけど。
やっぱり完全にあげちゃった方がいいのかな?って。
両サイドをおさげの三つ編みにしておいて。
向こうにいってから後ろでまとめることにしました。
服はリラックスしたものが良いと言われたので。
デニムのマキシスカートに白いパーカーを着て。
靴もバッシュにハイソックスはいて。
前の日に何度も確認した持ち物を入れた。
アネロのリュックを背負って家を出ました。
クロッキーの会は1時30分からなのですが。
12時からは入れるから控室でお昼を食べたらって。
だから11時半ころに部屋を出ました。
通学するのと同じ道をてくてく歩いて。
大学の前のバス停からバスに乗ります。
知ってるひと誰も出会わなくってよかった。
会場について中に入ると林さんがいて。
「今日はよろしくお願いします」ってあいさつしたら。
「もうひとりはまだだけど控室で休んでいて」って。
着替えるのはそのひとがきてからにしようって。
先に持って行ったコンビニおにぎりを食べました。
心の中では大きなため息を何度もついていて。
もうすぐみんなの前で裸になるんだって思いながら。
食べ終わった時にちょうど女のひとがはいってきて。
入ってくるなり「わぁ、ほんとに若いんだね!」
「マジで大学生?年齢だいじょうぶだよね?」って。
そのひとがご一緒していただくモデルさんでした。
ののかさん(仮名)はほわんとした優しそうなひとで。
モデルを始めて5年になるそうです。
背が高くって(167cmあるそうです)ふっくらした感じ。
こういうひとが良いモデルさんなんだろうなって。
わたしなんかでほんとうに良いのかな?って思ってたら。
「今日はまゆちゃんに人気が集中しそうだな」って。
「えっ?」って思ってこんなチビでやせっぽちなので。
お客さんが不満に思わないか?心配だって言いました。
そうしたらののかさん。
「若くて可愛い新人さんだもん。そりゃ注目されるわよ」って。
確かに初めて見るモデルだから「どれどれ?」って感じなのかな?
でもちゃんとできるか?ほんとうに自信ないって言うと。
「特別なことをしようと思わなくても良いんだよ。
ただそこにいるだけでも描く側からすれば満足だと思う。
初めて見るモデルならどんなポーズでも新鮮でしょ?」って。
2人モデルがいる場合はどちらを描いても良くって。
休憩の時に違う方に移動するのも普通にあるのですが。
みなさん気を使ってバランスよくなるそうです。
ひとりでやってみた時のことを話して。
20分同じポーズでいるのって大変ですよね?って聞くと。
「20分動いちゃダメだって思わないで。
20分動かなくても良いんだって思ったら?」って。
すごい!さすがベテランの言葉は違うって。
なんかののかさんがすごい頼もしく思えてきました。
そんな話をしてたらなんだかリラックスしてきて。
ののかさんといっしょだったらできるって。
そんな気持ちになっていきました。
話しをしながらわたしたちは服を脱いで。
わたしは持ってきたノースリのTシャツワンピを着て。
おさげの三つ編みをピンで後ろにまとめました。
シルクっぽいかぶりのワンピースに着替えたののかさんが。
「その髪型も可愛いね。おじさんたち鼻血だすかも?」って。
今日はあんまり注目されたくないですって言ったんだけど。
「可愛がられた方が絶対良いから」って。
会場に入った時にパッとみなさんの視線が集まって。
「いよいよわたしここで裸になるんだ」って思ったら。
やっぱり自分がひどく頼りないものに思えてきて。
なんだか恥ずかしくって惨めな気持ちになってきました。
恥かしかったのは参加者さんのことを。
勝手におじさんおばさんだって想像してたのが。
意外に若い女のひとがたくさんいて。
わたしの方を見ながら笑って話をしていました。
あの子なんでヌードモデルなんかやってるんだろう?
まだ子どもみたいな顔して露出狂?って。
わたしの勝手な想像の中のことなのですけどね。
それでわたしの中のスイッチがはいっちゃいました。
大勢のひとの前で自分から全裸になって。
恥かしくても動くことも隠すことも許されない。
ただ見られるがままに晒されるのを耐え続ける。
今まで何度も想像していたシチュエーションです。
10分×2、5分×4、4分×5、2分×10のクロッキーと。
最後に20分のデッサンと講評をして終了。
前と同じように林さんが進行を説明して。
それからわたしたちモデルの紹介をしてくれます。
ののかさんが先に紹介されて。
わたしはその後で今日が初めてのモデルだって。
「よろしくお願いします」のあとに。
「がんばってね」ってひとりの女のひとが言ってくれました。
会場には対角線に毛布が2枚敷いてあって。
わたしとののかさんがそれぞれの上でポーズします。
Tシャツワンピをくるっと脱いで林さんにわたして。
肩幅に足を開いて立って手を後ろに組みました。
ひとの目を見ないように少し斜め前の壁を見たのだけど。
きっと正面のひとからはわたしがパイパンなのが。
きっちり見えてるだろうなって思いながら。
ポーズをしてからしばらくすると。
皮膚の感覚がすごい敏感になっているのに気づきました。
さえぎる物がなにもない状態で空気が動くのもわかるくらい。
意識を向けた身体の部分が視線と空気にさわられてるみたい。
すごい静かな中スケッチブックを鉛筆が走る音と。
荒くなった自分の呼吸の音が聞こえます。
敏感な部分がかすかに動いているのを感じて。
身体が反応しませんようにって思いました。
まわりのひとたちは絵に没頭してるはずなのに。
目の前に全裸でいる女の子が感じていることを。
視線を感じながら身体を反応させているのを。
知られているんじゃないか?って思っていると。
10分はとても長かったです。
ふたつ目のポーズでは毛布の上にペタンと座って。
後ろ手をついて投げ出した脚をクロスするようにしました。
座りポーズの中では比較的安全な?ポーズです。
でも目線の先にはイヤでもひとの姿がはいります。
やっぱりみなさん真面目に絵を描いていて。
変なこと考えてるのは自分だけなんだなって。
それで余計に恥ずかしくなりました。
休憩時間になると林さんが服を渡してくれて。
それを着たわたしは控室に向かったのですけど。
その時女の子たちのひそひそ話が聞こえました。
「あの子パイパンだよね?」「うんうん」って。
そんな風にして会はどんどん進んで行ったのですが。
ポーズの時間が短い方がわたしには楽でした。
余計なことを考える時間が少なかったから。
でも最初の休憩の時に聞いた。
「あの子パイパンだよね?」をすごい意識して。
他のひともきっと思ってるんだろうなって。
わたしに聞こえないところで面白がってるかもしれない。
不自然に隠そうとしていないか?って思って。
わたしの恥ずかしいとこみんなに見られてるって。
隠しちゃダメだよって自分に言い聞かせながら。
身体が反応しませんようにって思いながら。
平静を装ってポーズを続けました。
控室で何度目かの休憩している時にののかさんに。
「まゆちゃんってすごい色っぽいんだね」って言われて。
やっぱりいやらしい表情してるのかな?って。
すごい不安になりました。
それでなんとか会は終わって。
わたしはほんとうに簡単なポーズばかりだったのだけど。
初めてとは思えないくらい上手だったって。
だいぶ甘い評価をもらいました。
全部終わって着替えてる時にののかさんが。
「まゆちゃんって全身脱毛してるの?」って言われて。
一度も生えたことないんですって言ったら。
「そうなんだ」って言ったっきりそのことには触れずに。
「まゆちゃんの身体って妖精みたいだね」って。
「お茶でも飲んでいかない?」って聞かれたのだけど。
なんかエッチした後みたいな感じに脱力しちゃって。
早く部屋に帰ってお風呂に入りたかったので。
LINEだけ交換して別れました。
後で林さんから電話があって。
今日はほんとうに上出来だったって言われて。
これからお仕事の依頼をしていきたいから。
一度事務所の方に来るように言われました。
ウソみたいな話だけど。
指名のお話しがいくつか入ってるので。
どんなペースで受けさせてもらうのか。
相談したいそうです。
タイマーとか全部ののかさんにやってもらった。
林さんにもついててもらった。
見習いのお仕事たった1回しただけで。
こんなにぐったり放心状態になってしまうのに。
ほんとうにお仕事が続けていけるのか?
ちょっと心配になってしまっています。
ゴメンなさい。
だいじな報告のつもりだったのに。
なんかグダグダの文章になってしまいました。
まだ心がどこかに行ってしまってるみたいです。
読んでくださってありがとうございました。
それではまたね。
まゆでした。
※ 日記に出てくる名前は全部仮名です。