まゆの日記

大学4年生 21歳の普通の女の子です。

初めてのクロッキーモデル

こんにちは、まゆです。

 

やってきましたクロッキーモデル。

初めて全裸でたくさんのひとに囲まれて。

それぞれ休憩をはさんでだけど20分×5回。

 

まだなんかぼーっとしています。

本番中は夢中でわからなかったけど。

ふくらはぎと腰のあたりが張っています。

やっぱりバランスとか悪かったのかな?

 

昨日の朝はまだ暗いうちから目が醒めちゃって。

なんか実感がないんだけど。

ほんとうにわたし今日ヌードモデルするんだって。

おふとんの中から天井を見上げていました。

 

起きてからもなんかぼ~っとしていて。

でもいつも通りに朝ごはんを食べて。

洗濯したり掃除をしたり普通にしてから。

身づくろいも淡々と。

 

髪型はポニーテールにしようと思ってたのだけど。

やっぱり完全にあげちゃった方がいいのかな?って。

両サイドをおさげの三つ編みにしておいて。

向こうにいってから後ろでまとめることにしました。

 

服はリラックスしたものが良いと言われたので。

デニムのマキシスカートに白いパーカーを着て。

靴もバッシュにハイソックスはいて。

 

前の日に何度も確認した持ち物を入れた。

アネロのリュックを背負って家を出ました。

 

クロッキーの会は1時30分からなのですが。

12時からは入れるから控室でお昼を食べたらって。

だから11時半ころに部屋を出ました。

 

通学するのと同じ道をてくてく歩いて。

大学の前のバス停からバスに乗ります。

知ってるひと誰も出会わなくってよかった。

 

会場について中に入ると林さんがいて。

「今日はよろしくお願いします」ってあいさつしたら。

「もうひとりはまだだけど控室で休んでいて」って。

 

着替えるのはそのひとがきてからにしようって。

先に持って行ったコンビニおにぎりを食べました。

心の中では大きなため息を何度もついていて。

もうすぐみんなの前で裸になるんだって思いながら。

 

食べ終わった時にちょうど女のひとがはいってきて。

入ってくるなり「わぁ、ほんとに若いんだね!」

「マジで大学生?年齢だいじょうぶだよね?」って。

 

そのひとがご一緒していただくモデルさんでした。

ののかさん(仮名)はほわんとした優しそうなひとで。

モデルを始めて5年になるそうです。

 

背が高くって(167cmあるそうです)ふっくらした感じ。

こういうひとが良いモデルさんなんだろうなって。

わたしなんかでほんとうに良いのかな?って思ってたら。

 

「今日はまゆちゃんに人気が集中しそうだな」って。

「えっ?」って思ってこんなチビでやせっぽちなので。

お客さんが不満に思わないか?心配だって言いました。

 

そうしたらののかさん。

「若くて可愛い新人さんだもん。そりゃ注目されるわよ」って。

確かに初めて見るモデルだから「どれどれ?」って感じなのかな?

 

でもちゃんとできるか?ほんとうに自信ないって言うと。

「特別なことをしようと思わなくても良いんだよ。

ただそこにいるだけでも描く側からすれば満足だと思う。

初めて見るモデルならどんなポーズでも新鮮でしょ?」って。

 

2人モデルがいる場合はどちらを描いても良くって。

休憩の時に違う方に移動するのも普通にあるのですが。

みなさん気を使ってバランスよくなるそうです。

 

ひとりでやってみた時のことを話して。

20分同じポーズでいるのって大変ですよね?って聞くと。

「20分動いちゃダメだって思わないで。

20分動かなくても良いんだって思ったら?」って。

 

すごい!さすがベテランの言葉は違うって。

なんかののかさんがすごい頼もしく思えてきました。

 

そんな話をしてたらなんだかリラックスしてきて。

ののかさんといっしょだったらできるって。

そんな気持ちになっていきました。

 

話しをしながらわたしたちは服を脱いで。

わたしは持ってきたノースリのTシャツワンピを着て。

おさげの三つ編みをピンで後ろにまとめました。

 

シルクっぽいかぶりのワンピースに着替えたののかさんが。

「その髪型も可愛いね。おじさんたち鼻血だすかも?」って。

今日はあんまり注目されたくないですって言ったんだけど。

「可愛がられた方が絶対良いから」って。

 

会場に入った時にパッとみなさんの視線が集まって。

「いよいよわたしここで裸になるんだ」って思ったら。

やっぱり自分がひどく頼りないものに思えてきて。

なんだか恥ずかしくって惨めな気持ちになってきました。

 

恥かしかったのは参加者さんのことを。

勝手におじさんおばさんだって想像してたのが。

意外に若い女のひとがたくさんいて。

わたしの方を見ながら笑って話をしていました。

 

あの子なんでヌードモデルなんかやってるんだろう?

まだ子どもみたいな顔して露出狂?って。

わたしの勝手な想像の中のことなのですけどね。

それでわたしの中のスイッチがはいっちゃいました。

 

大勢のひとの前で自分から全裸になって。

恥かしくても動くことも隠すことも許されない。

ただ見られるがままに晒されるのを耐え続ける。

今まで何度も想像していたシチュエーションです。

 

10分×2、5分×4、4分×5、2分×10のクロッキーと。

最後に20分のデッサンと講評をして終了。

前と同じように林さんが進行を説明して。

それからわたしたちモデルの紹介をしてくれます。

 

ののかさんが先に紹介されて。

わたしはその後で今日が初めてのモデルだって。

「よろしくお願いします」のあとに。

「がんばってね」ってひとりの女のひとが言ってくれました。

 

会場には対角線に毛布が2枚敷いてあって。

わたしとののかさんがそれぞれの上でポーズします。

Tシャツワンピをくるっと脱いで林さんにわたして。

肩幅に足を開いて立って手を後ろに組みました。

 

ひとの目を見ないように少し斜め前の壁を見たのだけど。

きっと正面のひとからはわたしがパイパンなのが。

きっちり見えてるだろうなって思いながら。

 

ポーズをしてからしばらくすると。

皮膚の感覚がすごい敏感になっているのに気づきました。

さえぎる物がなにもない状態で空気が動くのもわかるくらい。

意識を向けた身体の部分が視線と空気にさわられてるみたい。

 

すごい静かな中スケッチブックを鉛筆が走る音と。

荒くなった自分の呼吸の音が聞こえます。

敏感な部分がかすかに動いているのを感じて。

身体が反応しませんようにって思いました。

 

まわりのひとたちは絵に没頭してるはずなのに。

目の前に全裸でいる女の子が感じていることを。

視線を感じながら身体を反応させているのを。

知られているんじゃないか?って思っていると。

10分はとても長かったです。

 

ふたつ目のポーズでは毛布の上にペタンと座って。

後ろ手をついて投げ出した脚をクロスするようにしました。

座りポーズの中では比較的安全な?ポーズです。

でも目線の先にはイヤでもひとの姿がはいります。

 

やっぱりみなさん真面目に絵を描いていて。

変なこと考えてるのは自分だけなんだなって。

それで余計に恥ずかしくなりました。

 

休憩時間になると林さんが服を渡してくれて。

それを着たわたしは控室に向かったのですけど。

その時女の子たちのひそひそ話が聞こえました。

「あの子パイパンだよね?」「うんうん」って。

 

そんな風にして会はどんどん進んで行ったのですが。

ポーズの時間が短い方がわたしには楽でした。

余計なことを考える時間が少なかったから。

 

でも最初の休憩の時に聞いた。

「あの子パイパンだよね?」をすごい意識して。

他のひともきっと思ってるんだろうなって。

わたしに聞こえないところで面白がってるかもしれない。

 

不自然に隠そうとしていないか?って思って。

わたしの恥ずかしいとこみんなに見られてるって。

隠しちゃダメだよって自分に言い聞かせながら。

身体が反応しませんようにって思いながら。

平静を装ってポーズを続けました。

 

控室で何度目かの休憩している時にののかさんに。

「まゆちゃんってすごい色っぽいんだね」って言われて。

やっぱりいやらしい表情してるのかな?って。

すごい不安になりました。

 

それでなんとか会は終わって。

わたしはほんとうに簡単なポーズばかりだったのだけど。

初めてとは思えないくらい上手だったって。

だいぶ甘い評価をもらいました。

 

全部終わって着替えてる時にののかさんが。

「まゆちゃんって全身脱毛してるの?」って言われて。

一度も生えたことないんですって言ったら。

「そうなんだ」って言ったっきりそのことには触れずに。

「まゆちゃんの身体って妖精みたいだね」って。

 

「お茶でも飲んでいかない?」って聞かれたのだけど。

なんかエッチした後みたいな感じに脱力しちゃって。

早く部屋に帰ってお風呂に入りたかったので。

LINEだけ交換して別れました。

 

後で林さんから電話があって。

今日はほんとうに上出来だったって言われて。

これからお仕事の依頼をしていきたいから。

一度事務所の方に来るように言われました。

 

ウソみたいな話だけど。

指名のお話しがいくつか入ってるので。

どんなペースで受けさせてもらうのか。

相談したいそうです。

 

タイマーとか全部ののかさんにやってもらった。

林さんにもついててもらった。

見習いのお仕事たった1回しただけで。

こんなにぐったり放心状態になってしまうのに。

ほんとうにお仕事が続けていけるのか?

ちょっと心配になってしまっています。

 

ゴメンなさい。

だいじな報告のつもりだったのに。

なんかグダグダの文章になってしまいました。

まだ心がどこかに行ってしまってるみたいです。

 

読んでくださってありがとうございました。

 

それではまたね。

 

まゆでした。

 

 ※ 日記に出てくる名前は全部仮名です。