まゆの日記

大学4年生 21歳の普通の女の子です。

初めての着衣モデル

こんばんは、まゆです。

 

今日は京子先生(やっぱり先生って書いた方が良いですよね?先生は呼ばせてくれないけど 笑)のお宅で初めての着衣モデルをさせてもらってきました。今までヌードでのクロッキーデッサンモデルは京子先生を含めて4回経験しましたけど着衣でのモデルは初めて。それも水彩画で作品にしていただけるなんて。半人前以前の新人モデルにとってはすごいありがたいお仕事です。

 

京子先生のご希望でご主人がいらっしゃらない時にということで初めて平日のお仕事。12時15分に午前中の授業が終わったところでいつものようにお昼ご飯に誘われたのだけど今日は「ゴメン。ちょっと用事があって」とだけ言ってひとり帰りました。理由は聞かれなかったから今日のところはまあ良いか。

 

まっすぐ帰ってうがい手洗いしたあとで冷凍食品のパスタをチンしてお昼ご飯。あわててお腹壊さないようにゆっくり食べて1時15分。用意は前の日のうちにしておいたから持ってくだけだし。先生はなにもせずに素のままできなさいということだったので。歯磨きだけは念入りにしてあとはどうせマスクするからとメイクはちょっと直す程度。時間は充分だからって自分に言い聞かせながら部屋を出ました。

 

地下鉄とJRを乗りついで先生のお宅に着いたのは2時40分。3時からのお仕事でほんとうは30分前に着くのがマナーなんだけど少しくらい遅れても良いからちゃんとお昼食べてきなさいって言われてたので「早かったね」って迎えてくださいました。

 

先生に「とりあえずお茶飲んで落ち着こう」って言われて。ほんとうはそのまま準備に入った方が落ち着くんじゃないか?って思ったけど。先生はこの時間に「どんな絵を描きたくてわたしを選んだのか?今日はどんな気持ちでモデルをしてほしいのか」をわたしに伝えようとしてくださったのだとお話しを聞いててわかりました。

 

この時なぜクロッキー会で初めてヌードモデルをしただけのわたしのことを描きたいと思ったのか?を教えてくれました。ただクロッキーのモデルをするだけなのにその時のわたしの顔にも身体にも表情があるのを感じたのだそうです。なにか訴えるものがあったからって。それで先々週の土曜日にここに呼んで3時間デッサンモデルをさせてみてやっぱりこの子を描こうって決めてくださったのだって。

 

先生が用意してくださった衣装は7分袖の白いシンプルなブラウスとピンクのエプロンワンピースでした。「よくサイズありましたね?」って聞いたらエプロンワンピースの方はわたしの身長と3サイズを言って裁縫の得意なお友だちに直してもらったのだそうです。「ほとんど作りなおしだって怒られたけどね」って。そのかいあってぴったりだしすごく可愛くて。洋服のサイズに苦労しているわたしは「そんなお友だちがいれば良いのにな」って。

 

着替えてからお化粧直しをしようとして「なにか注意することありますか?」って聞いたら「いつも通りでだいじょうぶ」って。髪はワンピースと同じ色のリボンでツーサイドアップにしました。準備ができたら写真スタジオにあるような白い幕?の前に裸足のままで立って。手にはアートフラワーのブーケを持って。

 

ポーズ(と言っても自然に立っているだけですけど)を取る時に「今まゆちゃんは服を着ているけどヌードデッサンのモデルをしている時のことを思い出して」って言われました。「この前ここで全裸になってわたしの前でポーズしてくれた時のこと。それからクロッキー会でたくさんのひとに全裸の自分を見られた時のことを。わたしはあの時のまゆちゃんのことを思い出してるから」って。

 

わたしは裸になってたくさんのひとの前でポーズした時のことを思い出していました。風が動くのも感じるくらい身体が敏感になってしまったこと。わたしの恥ずかしいところが見られることでかすかに反応していたこと。参加していた女の子たちが「あの子パイパンだよね」って言ってたこと。それでドMちゃんモードにはいっちゃってしまったことを。

 

わたしの心が恥ずかしさと戸惑いでいっぱいになったところで「まゆちゃん可愛いよ。こっち向いて」って言われました。わたしがようやく目線をあげて先生を見つめた時に「良い表情だね。そのままお願いね」って言って先生は鉛筆を走らせ始めました。これが先生が求めていたわたしなんだと思ってそのままポーズを続けました。

 

「休憩にするからちょっと待ってね」先生は言いながらカメラでわたしを写しました。「どこにも出さないから信用してね」って。それからわたしの両方のつま先のところにマスキングテープを貼ってそこもカメラで撮りました。それからイーゼルの足のところにもテープを貼られたのにはちょっとびっくりしました。

 

「セクハラみたいなこと言っちゃってゴメンね」ポーズを決める時のことを謝られました。わたしが「だいじょうぶです。ちょっとびっくりしたけど」と言うと「またあんなこと言うかもしれないけど訴えないでね」って。先生はわたしの表情の裏の気持ちをわかってたんだと思うとそれだけで恥かしくなりました。今日は服を着せてもらってるけど先生はその中にある全裸のわたしが見えるんだって思いました。

 

20分おきの休憩をはさみながら進んで行って6時少し前に先生が「はい。今日は終了です。お疲れ様」って言われました。「はぁ~」思わずため息が出て身体がぐんにゃりするのを感じました。今日は服を着て普通に立ってただけなのに。そう思ってると先生が「疲れたでしょ?わたしがまゆちゃんの魂を吸い取っちゃったからね」って。もしかしたらほんとうにそうなのかも知れないと思いました。心の中まで見られながら過ごした3時間みたいに感じたから。

 

「うわ~なんですかこれ?すごいです!」まだ色を付けてない下書き?の段階だけどものすごく精密に描かれたわたしがそこにいました。水彩画って言うから淡いイラストみたいなのを想像してたからびっくりしました。「ほんとうに魂まですいとられたみたい」わたしが言うと先生は「まだ画龍点睛を欠くだけどね」って笑いました。

 

お借りした服を着替えて帰り支度をしているとインターホンが鳴りました。しばらくすると玄関から先生がお寿司の桶を持ってきます。「ご飯食べてってね。今日は出前だけど」って。この前ごちそうになった時にお寿司が好きだけどこっちではまだ食べてないって言ったのをおぼえてくださってたんです。ほんとうに久しぶりのお寿司(しかも回らない)はすごい美味しかったです。もちろん事務所に完了の連絡を入れてOKはもらいましたよ。(^_-)-☆

 

そんなわけで初めての着衣モデルはなんとか(たぶん)無事に終わりました。来週は色付けして仕上げまでされるのかな?それまで「美容院とかいっちゃダメだよ。それと健康に気をつけて」って言ってもらって帰ってきました。明日は1講目から語学の授業だし早く寝ることにします。目がさえちゃってるかも?ですけど。笑

 

読んでくださってありがとうございました。

 

それではまたね。

 

おやすみなさい。

 

まゆでした。

 

 

※ 日記に出てくる名前は全部仮名です。