こんにちは、まゆです。
大学は昨日から授業が始まりました。今のところは前年度秋学期の時と同じように対面授業と1部はオンライン授業を併用して進めて行くことになっています。でも最近こちらの地方でもコロナの陽性者が増えてきているので。ひょっとしたらまた1年前に逆戻りするんじゃないか？って不安です。
ところで昨日の夕方あいちゃんが遊びにきてくれました。それで先週土曜日に中川さんのところであったことを話しました。今のところこのことを話しているのはあいちゃんだけです。だからちゃんと聞いてねってお願いしてから話しをしました。
詳しくは前の日記に書いたのですけど。簡単に言うとヌードデッサンのモデルとしていつも指名で呼んでくださる中川さんが2月のデッサンの後（途中から？）わたしのことを求めてきて。そのまま男女の関係になってしまったのですが。先週の土曜日も同じことをしてしまったということです。
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ヌードモデルと画家さんがそういうことになるのはたまにあることで。そのままお付き合いしたり結婚したりという方もいらっしゃるって聞いてはいるのですが。それに中川さんは過去のことは知らないけど今は独身で。わたしもおにいちゃんという彼氏がいるけどもちろん独身だから不倫とかではないのですけど。
わたしが気になっているのは前回も今回も名目はどうあれかなりな金額をもらってしまっているということなのです。これだと援助交際と同じことになるんじゃないか？って。つまりは売春みたいなことに。あいちゃんは「まゆらしいね」って言って「まゆの気持ちは良くわかるんだけど。なにも気に病まなくても良いと思うよ」って。
まずはお金のことの前にわたしの立場は事務所から派遣されたヌードモデルで。中川さんはそのお客さんです。だから「お客に手を出すなみたいなこと言うじゃない？仕事なんだから」って言うと「まゆはほんとうに賢いのかアホなのかわからなくなる」って笑って。「手え出したのはお客の方でしょ？」って。
「仕事がきっかけで男女が仲良くなるなんていっちばん良くあるパターンじゃん」って。例えば営業してる男のひとが取引先の受付のお姉さんを好きになったなんて結婚式のなれそめでめちゃくちゃ良く聞くんじゃないかな？って。
「まあ可愛い女の子が目の前で全裸になってるんだから男としては興奮するのが当たり前だと思うよ。描いてる時は集中してるのかもしれないけどさ。ヌードモデルってそういう目で見られるのを覚悟してやるもんじゃないの？まゆなんか毎回見られて感じちゃってるんでしょ？そういう目で見てる男にはわかるんじゃないかな？」って。
そんなことはわたしだってわかってる。だからヌードデッサンの時はお互い何かそういうことがあっても見て見ぬふりの知らんぷりがお約束なんだけどね。「これからも同じようなことがあると思うよ。他のひとからも声かけられることあるんじゃないかな？」というあいちゃんの意見。これからのことはわからないけど覚悟は必要なのかな？そもそもわたしには向いてないのかもしれない。美術モデルというお仕事が。
とにかくヌードモデルとお客がたまたま好きになって（いちばんじゃないけどね）それで仕事が終わった後で男女の関係になったってそれはぜんぜんおかしくない。たまたま裸でする仕事だから変に考えちゃうだけで世の中でいっぱいやられてることだと思うって。
お金だって中川さんが言ったことはぜんぜんおかしくない。好きになったひとにプレゼントしたりお小遣いをあげたりなんてみんな普通にしてることでなんにもわるいことしてるわけじゃないって。「いくらくれたらSEXしてもいいってまゆが条件だしたんなら話は別だけどね」って。
「あいちゃんもそうなの？」わたしは聞いてみました。あいちゃんは「そうだよ。いくらくれたらデートしますなんて言わないもん。くれるって言うからもらってるだけだよ」パパ活って言ってるのはわかりやすい言葉だからで。デートクラブで知り合って大人のお付き合いをしてるだけなんだって。
「まゆはラッキーだと思うよ」って。中川さんはちゃんとまゆの気持ちを確かめてからそういう関係になったんだし。手荒なことはしないひとだし。話を聞く限りすごい紳士的だと思うし。そのうえ気前よくお小遣いをくれてるなんて。安物のマッチングアプリ使ってる子なんて悲惨なことになってるの多いんだからって。イヤそれはいっしょにしないでほしいけど。
でも「ヌードモデルのことを犯りたいって思う男のなかには無理やりなやつだっているかもしれないよ」って。もちろん身元はちゃんと事務所が確認してくれてるし。初めてのお客さんの時はいっしょに現場まで行ってくれるし。だからそういうトラブルはないと思うし。そうでないとなりたたない仕事なんだけどね。
「ごめん。理屈ではわかってるんだけど。あいちゃんに『だいじょうぶだよ』って言ってほしかっただけなのかもしれない」わたしが言うとあいちゃんは「わたしも自分に言い聞かせてるだけなのかもしれないから。なにもわるいことしてるわけじゃないって」と言ってわたしを抱きよせました。
「今日はまじめな話で終わるんじゃないの？」って聞いたら「わたしはまじめな気持ちでまゆと愛しあいたいの」そう言ってキスをしました。「わたしはまゆのことが大好きだよ。だって親友だもん」あいちゃんは言いました。わたしはうれしくて涙が出てきちゃったのだけど。それを見られないようにあいちゃんの胸に顔をうずめました。あいちゃんは「わかってるよ。泣き虫まゆちゃん」って言って強く抱きしめてくれました。
読んでくださってありがとうございました。
それではまたね。
まゆでした。
※ 日記に出てくる名前はぜんぶ仮名です。
