まゆの日記

大学4年生 21歳の普通の女の子です。

助けてもらって告白されました

こんばんは、まゆです。

 

授業が終わって帰りみち。今日は食料品を買いたかったので表通りから帰ろうとしたのですけど。通りを半分くらい行ったところでナンパされてしまいました。もちろん断ってそのまま歩きだしたのですけど。すごいしつこいひとでずっと話しかけながらついてきました。

 

食品スーパーに入ったらさすがにあきらめるだろうとは思っていたのですけど。ずっとついてこられるのが怖くて泣きそうになりながら黙って歩いていました。もしこのままマンションまでついてこられたらどうしようって。誰か知ってるひとに会わないかな?って思っていたら。

 

「おいこら。なにしてんだよ」ってちょっとドスの効いた声が。驚いて振り向いたら1年から同じゼミだった松井くん(仮名)でした。松井くんは背も高くて太っていて大きいのですが。ふだんはめちゃめちゃ面白くてみんなを笑わせてくれる人気者です。それが眉間にしわをよせてナンパ男をにらみつけています。けっこう迫力ありました。

 

ナンパ男は「お前なにもんだ。じゃますんなよ」って。こちらも松井くんをにらみつけます。松井くんは「ひとの女に手え出しといてなにがじゃまするなだ!」と言ってナンパ男に迫りました。「なんだ彼氏持ちかよ」プイと横を向いたナンパ男に背を向けた松井くんは「おい。帰るぞ」と言ってわたしの手を引っ張って歩きだしました。わたしは「はい」って言っていっしょに歩きました。

 

しばらく歩いて横道に入ると松井くんはつないでいたわたしの手を放して「ゴメン。手を握ったりして」とあやまりました。いつもの優しい松井くんに戻っていました。わたしは「とんでもない。すごい怖かったの。助けてくれてありがとう」と頭をさげました。まだ足ががくがくしていてへたり込みそうでした。

 

「よくナンパされるの?」と聞かれたので。表通りだと時々声を掛けられること。ほんとうは住宅街の方を帰った方が安全なんだけど買い物して帰りたい時はこっちを通ること。でもあんなにしつこいのは久しぶりだったことを説明しました。

 

松井くんは「みんな簡単に女の子に声かけたりするんだなあ。ぼくなんか1年間ずっと言えずにいるのに」って。わたしは「松井くんだれか好きなひとがいるの?」って聞きました。松井くんは上を向いて「今目の前にいる。さっき初めて手をつないじゃった」って。「えっ?」わたしは一瞬何のことかわかりませんでした。

 

「わたし?」ようやく理解して自分の顔を指さしたわたしに松井くんは「初めて見た時からずっと好きだった。こんなデブだし顔だってこんなだし。まゆちゃんと釣り合わないのはわかってるけど。でもナンパ男に感謝だな。こんなことがなかったら絶対言えなかったと思う」って。

 

わたしは「そんなことない。松井くんはいつもみんなに優しいし。話すごい面白いし。それにさっきはすごいカッコよかったよ」って思ったままをいいました。松井くんは「ありがとう。そんなにほめられたの初めてかも」ってにっこり笑いました。こんなこと言ったら失礼なんだろうけど笑った時のくまモンみたいでした。

 

松井くんに言ったことばはお世辞なんかじゃなくって。前から感じが良いひとだって思っていました。同じ歳なのに大人に見えるし。それに助けてもらった時の松井くん。ほんとうに頼もしく感じたし。手をひいてくれた時にはドキドキしていました。松井くんのこと好きになったかもしれないって本気で思いました。

 

でもわたしにはおにいちゃんがいるからそのことは正直に言いました。遠距離でたまにしか会えないけどお付き合いしてるひとがいるって。でもイヤじゃなかったら松井くんのこともっと知りたいしもっと友だちになりたいってお願いもしました。松井くんはにっこりとうなずいて「ぼくもまゆちゃんのこともっと知りたい。よろしくお願いします」って言ってくれました。

 

わたしはなにかお礼がしたくて「良かったら晩ご飯食べて行ってよ」と誘いました。松井くんは「友だちなんだから当たり前のことしただけだよ」って言って帰ろうとしたのですけどどうしてもってお願いして今度はわたしが腕を引いて歩きました。途中スーパーで買い物したのですけど松井くんは荷物の入ったエコバッグを持ってくれました。

 

晩ご飯はグラタンとベーコンスープ。それに前の日に作ったポテトサラダです。松井くんはとてもおいしそうに食べてくれました。「まゆちゃんの部屋で手作りの料理を食べてるなんてまだ信じられないよ」って。わたしは「だれかのためにご飯作るの好きだからまた食べにきてよ」と言うと「他にもごちそうになったやつっているの?」って。「男子は松井くんが初めてだよ」って答えるとそのことにも大げさによろこんでくれました。

 

「信用してくれてありがとう」帰り際に言うので「松井くんがそんなことするわけないもん」って言いました。松井くんは「ぼくだって男だよ。理性を総動員して頑張ったけどね」って。それで「ほんとうは辛かった?無理言ってゴメンね」って聞くと「まさか!こんなごほうび人生初めてだよ。ほんとうにうれしかったし楽しかった」って。

 

松井くんは太ってること気にしてたけどすごく頼もしく感じたし。いっしょにいると安心するみたいな。助けてもらったせいかな?でも好きになったかもしれません。長居すると周りに誤解されても困るからって言って。ご飯が終わってしばらくしたら帰っちゃったけど。ほんとはもっといてほしかったです。

 

レイプの後遺症があってドMちゃんのくせに乱暴にされるのはダメだけど。優しく迫られたらわたし落ちちゃったかもしれないなって思いました。楽しかったけどちょっともやもやしています。松井くんに抱かれるのを想像しているわたしがいます。やっぱりわたしってビッチなのかもしれない。

 

読んでくださってありがとうございました。

 

それではまたね。

 

おやすみなさい。

 

まゆでした。

 

 

※ 日記に出てくる名前はぜんぶ仮名です。